昔懐かし感のあるスチール缶はアルミ缶があるのになんで無くならないのか
わたしが小かった頃(30年くらい前)は缶ジュースといえば250mlでスチール缶ってのが普通だったと思いますが、気づけば缶のサイズが大きくなってアルミ缶が主流になっていました。
最後の砦 コーヒーもアルミ缶に
アルミ缶化の波に押されつつも缶コーヒーだけはスチール缶だなぁと思っていたんですけど、いまはコーヒーもアルミ缶に移行しつつあるみたいです。
そもそもコーヒーがスチール缶だったのは業界の自主規制だそうです。
缶飲料で怖いのは致死率の高いボツリヌス菌。スチール缶だと菌が増殖すれば缶が膨張するので、消費者が飲むときに気づくことができる。しかし、アルミ缶は薄くても強度を保てるように、内側に窒素ガスなどを入れて内圧を高めて膨らんでいるため、気づくことができない。
そこで協会は1985年に、ボツリヌス菌が入る恐れがある「高温殺菌を必要とする飲料」についてはアルミ缶を使わないよう自主規制。その後の研究で、ミルク入り飲料だけが危険だということがわかり、1988年からは範囲を狭めた。
そんで、いまは研究がすすんで、製造ラインがしっかりしてればミルク入りでも問題ないって事になってきたんで、コーヒーのアルミ缶化がすすんでるみたいです。
それでもスチール缶は無くならへんで
じゃあ、今後はなんでもアルミ缶になるのかと思ったら、そういうワケでもないらしい。
大手ビール会社は、いまでもわずかにスチールの缶ビールをつくり続けている。「鉄鋼業界の会合などで指定されるため」というのが理由だという。
ある業界関係者は、こう話す。「飲料メーカーは鉄鋼が盛んな地域向けには、あえてスチール缶を使っています。裾野の広い産業ですし、『自分たちがつくっているものを使いたい』という気持ちが強い方が多いのです。やめるわけにはいかないでしょうね」
鉄鋼関係の方々のニーズがあるので、一定量はスチール缶が残るようです。
一見すると『なんじゃそれ!』と思ってしまうんですが、もし鉄鋼メーカーで働いてる人から御歳暮とかでビールをもらって、スチール缶だって気付いたら『なかなか粋な事をするなぁ』と思うだろうから、やっぱりニーズはあるんでしょうね。
そんなワケで、昔懐かし感のあるスチール缶ですが、21世紀もわたしたちに飲み物を届け続けてくれるみたいです。
今日の『ふむふむ』
- 実はアルミ缶でいけるんだけど、ニーズがあるので、これからもスチール缶は存在し続ける。